合唱
合唱がしたいなあ、と思う。
コロナの影響で、私の地区は、まだ合唱をすることが許されていない。
ただ、自分のクラスの子たちを眺めていると、この子たちはどういう合唱をするようになるだろうと考えてしまう。きっと来年、三年生になったら、もっと良い合唱ができるに違いない。そう思うと、今、この瞬間にできないことが惜しいのだ。
かつて、三年生を担任していたとき、『花をさがす少女』に取り組んだことがあった。私としても、いつか三年生で歌ってみたいと常々思っていたので、子どもたちと取り組むことができて嬉しかった。
しかし途中は苦しかった。この曲の持つ背景の重さと、子どもたちの思考の深さが、まだ一致していなかったのだ。それはすなわち、私の指導の未熟さである。この曲の背景を子どもたちに落としきるには、まだ若かったのだ。
だが、子どもたちは必死だった。何度も話し合いを繰り返し、凝集力でこの難曲を歌い切った。
今なら、もっと子どもたちに深く考えさせ、歌うことができるだろう。そう思うと、今年も歌わせたい。来年持ち上がれるとも限らない。毎日歌声で溢れていた学校。それは、決して当たり前のことではなかったのだ。
ただ、できないことを嘆いていても仕方がない。今できることを、目の前のことを、大切に過ごす。