故郷
コロナで、大変になったことは多くある。
しかしその中で、良くなったこともある。
うちの学校で言えば、学習支援員の先生が新たに派遣されたことだ。
その先生は、退職された先生で、退職されてからも私立の中学校で教壇に立たれていた国語科のスペシャリストの方で、私自身、名前は存じ上げていたものの、実際にお会いしたことはなかった。
その先生が毎週いらっしゃる中で、3年生の「故郷」の授業を見ていただく機会があった。
今まで何回か授業を見ていただくことがあり、基本的に褒めていただくことが多かったので、私も(少し意識しながら)普通に授業を進めていた。また、故郷はこれまでに何度か研究授業を行い、自分的にも研究が進んでいる教材だったので、少し自信をもって授業していた。
ーそして授業が終わり、先生に御指導を受けにいくと、今までとは違う、国語科としての先生の顔があった。あの場面での、焦点化のポイントはそこではない、と。
御指導を経て、自分でゆっくり噛み砕いてみると、やはりそちらの方がしっくりくる。教員歴も長くなり、後輩も増えた。しかし、まだまだ経歴でいえば、若手。何十年も教壇に立ってきた人には、かなわない。もっと勉強することがある。謙虚に、謙虚に。毎週、金曜日は私の研究授業の日になった。